国は今年9月、デジタル庁を設置。デジタル社会をつくるため、「DX(デジタル・トランスフォーメンション=デジタルによる変革)」を大胆に推進していくそうだ。DXと言えばつい「デラックス」と呼んでしまうがそうではない。住民サービスの向上へさまざまな行政手続きをオンライン化し、リモートワークなど場所にとらわれない新たな働き方の実現を目指す。

 行政手続きは児童手当の受給申請、住所変更、要介護申請など。1人1台が当たり前のスマートフォンを使いこなす若者世代にとってはもってこいのサービス。高齢者にとっては、そのシステムの使い方を覚えるのを少し敬遠する人もいるかもしれないが、自分で移動手段を確保できなくても、わざわざ役場の窓口まで足を運ぶ必要がなくなり便利。また、新型コロナのような感染症が発生したときにも人と人との接触を回避できるし、災害時にもシステムが故障しなければオンラインでの行政手続きを継続することができる。

 県は新年度から、「DX和歌山」と銘打って、DX行政を強力に推進。県内のモデル自治体と連携して、対象となる手続きの洗い出し、電子申請の標準様式、導入手順書を作成する。去る28日、田辺市であった知事と市町村長との新政策懇談会ではそのモデル自治体の選定方法について担当部長が「現時点で何団体になるか決まっていない。モデルになる希望を持たれているなら積極的に教えてほしい」と説明していた。日高地方では印南町が昨年7月から一早く「ICTスマートタウン構想」を打ち出し、DXを推進。最先端を行く住民サービスの構築に、一肌脱ぐのもいいかもしれない。     (吉)