写真=小鷹網を投げ入れる坂本さん(日高川町入野で)

 日高川の秋の風物詩として知られる落ちアユ漁「ハメ漁」が、日高川町でピークを迎えている。

 産卵のために上流から下るアユを網で捕獲する伝統漁法。事前に対岸まで約1㍍間隔で竹の杭を打ち込み、杭に沿ってわらを取り付けたロープを水中に張る。この仕掛けが「ハメ」と呼ばれ、産卵のために群れで下るアユには障害物となり、そこに長さ約10㍍、高さ約70㌢の小鷹網(こたかあみ)を投げ込み、一網打尽にする。

 約30年前からハメ漁を続けている入野の坂本英男さん(64)は、今季4回目となった26日もハメの近くでアユが下ってくるのを待ち構え、タイミングを見て小鷹網を投げ入れていた。この日は前日に雨が降った影響からか、たくさんのアユが下ってきて大漁で、朝から夕方までに300~400匹を捕獲。一度に50~60匹のアユがかかることもあるという。大きさは18~23㌢。坂本さんは「網を投げてアユがたくさん獲れるとやっぱりうれしいですね。今年はサイズはやや小ぶりのように感じますが、例年よりも数は多いのでは」と話していた。