写真=フジバカマの蜜を吸うアサギマダラ

 印南町西ノ地、切目王子神社旧跡の一角にある切目懐紙なぎのさと公園に数日前から、渡りチョウ「アサギマダラ」の大群が飛来している。

 アサギマダラは北から南へ数千㌔を移動するチョウで、日高地方では日高町の西山が飛来地として有名だが、アサギマダラが好むフジバカマ(キク科)が植えられている他の地域でも確認されている。切目王子神社は熊野古道九十九王子の中でも格式の高い五体王子の一つで、かつて後鳥羽上皇が歌会を開き、その御製がしたためられた懐紙が国宝になっている。

 地元有志でつくるうらしま会では5年前、神社の歴史を広く知ってもらおうとなぎの里公園の整備を開始。さまざまな植物を植えており、万葉集ゆかりの秋の七草の一つ、フジバカマも100株ほどある。

 21日には約100匹が乱舞し、連絡を受けた中村一人日高振興局長や日裏勝己町長、坂本登県議らが見物。同会の寺下鎮雄会長(76)は「毎年アサギマダラが飛来しているが、今年は特に多い。世界遺産登録を目指す切目王子のPRにもなれば」と話している。アサギマダラは11月上旬まで飛んでくるという。