先日、海上自衛隊最新の潜水艦「はくげい」が進水した。同潜水艦は海上自衛隊史上、最大の潜水艦「たいげい」の2番艦で、同型艦はリチウムイオン電池を本格的に運用する世界初の潜水艦でもある。
 一代前の型式の潜水艦「そうりゅう」型は、AIP機関と呼ばれる、非大気依存型の機関を搭載することによって、長期間の潜航を可能にしていた。この機関は液体酸素を利用することによって、海中で密閉された空間となる潜水艦に酸素を供給し、エンジンを動かしていた。

 しかし、技術の進歩により大容量のリチウムイオン電池を潜水艦に搭載することが可能となったことで、AIP機関は不要となり、電池を使って動く、電気自動車ならぬ電気潜水艦が登場したのである。

 リチウムイオン電池といえば、身近なパソコンやスマートフォンに使用されるようになって久しいが、一部の製品で発火のトラブルが相次ぐなど、衝撃に弱く脆弱なイメージがある人も多いかもしれない。

 たいげい型潜水艦に搭載されているリチウムイオン電池は、日本のGSユアサ製と言われており、最新技術によって、強い衝撃でも発火しないものだという。

 このほかにも、同型艦には従来の潜水艦にはなかった女性専用の居住区画が設けられている。これまで、潜水艦の乗組員は男性に限られていたが、女性活躍推進の時代の流れを受け、自衛隊でも女性を積極採用していくことが決定しており、潜水艦にも女性の乗艦が認められた。

 女性初の戦闘機パイロットも誕生していて、今後ますます女性隊員の活躍の場は広がっていくだろう。

 時代とともに技術は進歩し、社会情勢も変化していく。現在の常識は、10年後の非常識かもしれない。 (也)