文部科学省は、2020年度の小中高校のいじめや不登校の状況を公表。和歌山県の公立小中高校の不登校者数は合計1637人で、前年と比べて133人増加。理由は小中高共通して「無気力」が挙げられており、新型コロナによる学校行事の制限などが登校意欲の低下につながった可能性があると分析されている。

 文科省が毎年実施している「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果。

 不登校は小学校367人(前年度比73人増)、中学校849人(37人増)、高校421人(23人増)で、小中高とも過去3年間では最高となっている。

 不登校の主な理由は小中校共通で「無気力、不安」があり、コロナによる一斉休校や夏休みの短縮、学校行事の制限などが、影響したとみられている。このほか小学校では「親子のかかわり方」、中学校は「いじめを除く友人関係をめぐる問題」、高校では「生活リズムの乱れ、あそび、非行」などがあった。

 一方、いじめは前年度の19年度に、小・中・高と特別支援学校で合計6388件で過去最高となったが、20年度は小学校が4755件(前年度比968減)、中学校は353件(152減)、高校が76件(58減)、特別支援が21件(5減)の合計5205件で、19年より1183件減少。コロナによる分散登校や休業措置で児童生徒同士のかかわりあう機会が減ったことなどが、減少につながったと考えられている。

 全国的には小中学生の不登校が前年度より8・2%増の19万6127人で過去最高となった。いじめについては和歌山県同様、小中高と支援学校ともに減少傾向となった。