写真=大使の任命書を手に池田君

 智弁和歌山高校1年で御坊市薗の池田宗一郎君(16)が、公益社団法人日本青年会議所(JCI日本)の「グローバルユース国連大使」に任命され、1日に地元の三浦源吾市長を表敬訪問した。この春から半年間の研修に参加し、新型コロナの影響で海外への渡航はできなかったが、オンラインを活用して世界各国の高校生らとSDGs(持続可能な開発目標)の推進について議論。得た知識や経験を地域に還元する啓発活動として、三浦市長に研究成果を発表した。

 日本が持続可能な社会を実現するため、次代を担う若者を対象にSDGsに対する認識を深め、目標の達成に向けて自発的に行動できる人財の育成を目的に、2011年からJCI日本が行っている事業。19年までは実際にスイス・ジュネーブの国連欧州本部へ渡航していたが、昨年度以降はオンラインを活用し、世界的課題を解決するための研修を受けて、研修後は地域での国際協力への意識を喚起しながら、各地域での国際協力活動を推進している。

 21年度は全国から47人、海外から25カ国67人の高校生が参加。オンラインによる事前研修、国内合宿研修、世界の学生とのオンラインサミットを経て、大使として各地で啓発活動を行っている。

 池田君は兵庫県尼崎市出身。智弁和歌山中への進学を機に、母由紀さんの実家で御坊市薗の佐古繁子さん宅に移り住み、通学している。県内から初めての大使で、サミットでは国内外5人ずつ10人のグループで、ジェンダー問題を課題に英語で発表。ネパールを研究対象として、ジェンダー平等への取り組みを学び、日本と比較すると依然、女性や低カースト層の教育、就労、社会参加の機会が限定されている状況が続いていると感じたという。

 この日、御坊JCの山本哲理事長、小池知明担当理事とともに、市役所市長応接室を訪問。三浦市長は「学んだことや経験を生かし、いろんな場面で啓発し、世界に羽ばたく人になってください」と期待を込め、「将来は医師を目指しています」という池田君に「志があるのが素晴らしい。夢は大きく頑張って」とエールを送った。

 23日に全体の活動報告会が開かれる。