長年にわたって更生保護活動に貢献している人をたたえる法務大臣表彰の受賞者が決まり、日高保護司会から伊東直彦さん(76)=御坊市野口=、酒本満宏さん(63)=同市薗=が選ばれた。10月27日に和歌山市のホテルグランヴィア和歌山で行われる県更生保護功労者顕彰式で伝達される。

 犯罪や非行に陥った人たちの改善更生を助けるとともに、犯罪や非行のない明るい地域づくりに寄与した功労者の顕彰。県内から伊東さん、酒本さんを含めて12人が選ばれた。

 伊東さんは2003年から、酒本さんは1995年から保護司を務め、罪を犯した人の更生や再犯防止、犯罪・非行予防へ献身的に活動。伊東さんは日高保護司会で理事、副会長を経て、2018年から会長を務めている。

 立ち直りを支える活動では、和歌山保護観察所の保護観察官に相談、連携。保護観察対象者の面接や環境調整を行っている。

 これまで伊東さんは4人を担当。偉そうに説教じみたことは言わず、保護観察所から「紹介された知人」「預かった知人の子ども」のように接している。再犯を起こさず頑張ってくれるのが一番の願いで喜び。受賞に「ありがたく、うれしいです。更生保護サポートセンター日高の開所(19年)のときにもお世話になった仲間ら皆さんの協力のおかげ。23年3月の定年退職まで、精いっぱい務めたい」と笑顔を見せている。

 小学校教諭の酒本さんは7人を担当。人のいい面、悪い面を含めて丸ごと包むように受け入れ、寄り添いながら、立ち直りの道筋を一緒に考えるように心がけている。受賞に「大したことはしていません。過去に罪を犯した人が仕事に就けるよう協力雇用主を増やすとともに、これからも二度と悪に手を染めず、同じような人の目標となる人に更生できるよう、地に足のついた活動に努めたい」と話している。