写真=塩屋公民館長などを歴任した有本氏

 文部科学省は21日、今年度社会教育功労者表彰の受賞者を発表。県内は2人、日高地方からは御坊市塩屋町北塩屋、元御坊市社会教育委員の有本充氏(87)が選ばれた。社会教育振興に功労があった人に贈られる賞で、全国で110人が受賞する。表彰式は11月5日、東京の文部科学賞旧庁舎からオンラインで行われる。

 長年にわたり、社会教育関係団体活動に精通し、社会教育の振興に功労のあった人が対象。

 有本氏は耐久高校卒業後、警察官となり、退職後の2000年4月に塩屋公民館長に就任。14年3月に退任するまでの14年間、地域の活性化や地域学習の振興に寄与した。

 特に毎年11月の公民館の文化祭活動に力を注ぎ、「住民の心の交流をより一層広めたい」と考え、以前は大人の作品展示だけだったが、地元の幼稚園児や小学生の作品も展示するなどに取り組んだ。「学校、幼稚園と合体した地域文化の祭典」をキャッチフレーズとし、文化祭を通じた地域づくりや生涯学習の機運の醸成に努めた。

 06年から14年間は御坊市の社会教育委員、公民館運営審議会委員としても活躍し、人権教育や子どもの育成活動、伝統行事の振興など幅広い分野で貢献。同市の社会教育に関する計画・事業、公民館の在り方や運営の方向性について助言し、社会教育のリーダーとして活躍した。
 有本さんは今回の受賞に際し、「地域の皆さまのご協力のおかげです。今後もより一層、穏やかで心温まる地域になるように微力ながら貢献していきたいと思います」と話していた。