元男子バレーボール日本代表で、代表監督も務めた植田辰哉さん(57)が、みなべ町や田辺市を拠点に小中学生を対象にした育成塾「龍神植田塾」を10月からスタートさせる。以前取材させてもらったとき、世界を相手に戦ってきた中で、屈指の強豪であるブラジルの指導者に「日本は30年遅れている」といわれたと話されていた。「いますぐ結果は出なくても、将来の日本の隆盛の土台を作りたい」と熱く語っていたのが昨年9月。1年で形にするスピード感もさることながら、ここ和歌山でアカデミーを立ち上げるということに自然と期待は大きくなる。

 親交があり今回、龍神植田塾の事務局を務める中田真寛さん(田辺市のセレモニーホールなかた)たちが熱心に立ち上げをサポートしていることが大きいが、きっかけの一つに龍神村の村民と交流の歴史もある。植田さんが監督を務めていたときの日本代表の愛称が「龍神ジャパン」。龍神つながりで、龍神村の人たちが勝手連で日本代表を応援していたのが縁で、龍神村はじめ紀南地方とは交流があった。人とのつながりが、大きなプロジェクトを紀南で始動するきっかけになったといえるだろう。

 植田塾では、プロ選手らを講師に招いたトレーニングなども計画されている。トップレベルの技術や練習方法、心構えに触れるだけで大きな刺激と財産になるだろう。何より、バレーをきっかけに集まった同世代や指導者、保護者ら新たな人との交流が生まれる。人とのつながりはまた、さらに次の交流へとつながっていく。バレーはもちろん、人と人とのかかわりが増えていくアカデミーになることを期待している。  (片)