本書の著者はタイトル通り、週2日の介護の仕事での年収90万円で幸せに生活しています。もちろん、宝くじに当たったわけでも投資で大儲けしてアーリーリタイアしているわけでも親の遺産が莫大にあるわけでもありません。

 ただ、年収90万円つまり、月7万円程度でやりくりしているだけなのです。

 週5日の休みで図書館を活用して読書をしたり、公園などを散歩したり、無料のものを使い倒す生活です。東京郊外で隠居して暮らしています。

 具体的な月の支出が食費9000円、家賃共益費2万9000円、水道光熱費等1万5000円、その他の出費1~2万といったものです。

 その生活の詳細はぜひ本書を読んでみて確認してください。それが極端に思う方も多いでしょう。私もけっして羨ましいと思いませんし、真似してみようとも思いません。著者もけっして真似することを勧めているわけではないと言っています。

 でも、現代社会での仕事やお金に対するプレッシャーを強く感じる人は多いのではないでしょうか。「仕事で成功しないとダメだ」とか「金持ちにならないといけない」のような「社会的成功が絶対的な幸せと」いった考えを持っていないでしょうか。

 そんな風潮に対して生きづらさを感じたり、上手く立ち回れずにいる人もいるでしょう。いわゆる世間の常識に対して悩んでいる人にこそ読んでほしい一冊です。楽に生きるための言葉が本書には、たくさんあります。文章自体も読みやすく書かれていますので面白いと感じるはずです。

 著者は言います「どうすれば自分が幸せか?」皆さんはどうですか。年収が高ければ、お金があれば幸せですか?        (将)