先日、JA紀州が主催する地域住民向け講座の第1回講座を取材した。今年の講座は、コロナ禍ということもあって、地域密着のカリキュラム。初回講座は、地元で、占いとパワーストーン販売を行う合同会社ミラクル・アイの今井智佐子さんが講演した。

 今井さんは18歳のときに、通過列車にはねられる大事故に合い、瀕死の重傷を負いながらも、駅員、救急隊員や病院の医師らの懸命な応急処置や治療で奇跡的に一命を取り留めた。自分の体のことよりも、事故を起こし迷惑をかけてしまうことを厳しかった父に謝らねばという強い気持ちがあり、意識を保ったまま病院に到着したことなども幸いし、出血多量で、背中を首からしりにかけて40針も縫うなど大けがを負いながらも、40日後には後遺症もなく退院した。多くの人のおかげで命をつなぎ「毎日が当たり前ではない。生かされた命を大切に生きよう」と心に決めて以来、つらいことがあっても嘆くのではなく、現実を受け入れ、感謝の気持ちを持ち、できることを懸命にしてきたことで人生に数々の奇跡を起こしてきた。パワーストーンとの出会いもそのひとつで、一歩踏み出したことで、窮地に陥っていた生活を変え、会社を設立するまでになった。

「幸せは人から与えられものではなく、自分で作るもの。誰でも捉え方ひとつでただちに幸せになれる。明日の自分を作るのは今の自分の選択。今をどう生きるかが、明日の自分を決めていくのです」と話した。

 個人的に印象的だったのは「目標や目的がなくても、今を一生懸命に楽しみ感謝しながら生きていくだけ」という言葉。人生の流れに身を任せながらもポジティブに、目の前のことを懸命にこなし、道を切り開いてきた強さを感じ、身近な存在だけに共感した。(陽)