朝、目覚ましのアラームを止め、目を閉じたまましばらく考える。きょうは何曜日か、きょうの仕事の予定と紙面の内容などを頭で確認し、ゆっくり体を起こしたあと、スマホを手にとる。

 画面にはLINEやメール、ネットニュースのポップアップ通知が表示され、オリンピックのメダル獲得や有名人の訃報など最新のトピックスが飛び込んでくる。寝起きの頭にはツイッターのやりとりがけっこうしんどい。

 実際、自分でツイート(投稿)をしたことはなく、フォローしている有名人のツイートを見るばかり。おそらく、自分がフォローしている人にそういうタイプが多いのだろう。常に誰かと対立しては、激しく議論を戦わせている。

 仕事では毎日、いろんな方から電話やメール、訪問をいただく。多くはていねいな取材の依頼やお礼、記事の内容に対するお叱り、問い合わせだが、ときに匿名の方のおっしゃる意味がよくわかりかね、売り言葉に買い言葉となることもある。

 そんなストレスも週1回程度ならまだ耐えられるが、ツイッター上の政治家やジャーナリストは毎日、何人もの意見が合わない匿名の人を相手に罵り合っている。そのメンタルの強さには脱帽するが、とてもじゃないがまねはできない。

 「おまえがいうな」「恥を知れ」。こんなきつい言葉も男性ばかりではなく、女性も決して負けてはいない。互いに相手を上から見下ろし、最後は自分が一発多く殴って終わらねばならないのだろう。そんな気がしてならない。

 先日、85歳の友達が迷ったあげく、ガラケーをスマホに買い替えた。使い方もよく分からなかったはず。朝、夜遅くに届いていたLINEを見て、久しぶりに気分のいい目覚めだった。(静)