写真=現在の3代目紀伊日ノ御埼灯台

 日高町阿尾にある海上保安庁が所管する紀伊日ノ御埼灯台について、美浜町の特定非営利活動法人日ノ岬・アメリカ村(小薮清信理事長)が一般の観光客等に施設を公開、案内する事業者として認められ、26日、田辺海上保安部が現地で小薮理事長に承認書を授与する。灯台の一般公開を民間団体に委託するのは全国的にも初めてで、新たな観光資源として地域の活性化につなげたいという両者の思いが一致した。

 紀伊日ノ御埼灯台は1895年(明治28)に初代が点灯。現在の3代目の灯台は2017年、2代目灯台の西約120㍍の場所に移設され、目の前には180度以上の海のパノラマが広がる。

 今回の一般公開は、海上保安部からNPO側に提案し、美しい景観を楽しめる灯台を新たな観光資源に生かせないかと考えていたNPO側と思惑が一致。これまで灯台の一般公開は、海上保安庁が主催する灯台記念日(11月1日)のイベント等に限られていたが、紀伊日ノ御埼灯台は9月19日以降、NPOが一般公開事業の管理者として施設の鍵を預かり、見学希望者と日程等を調整のうえ、内部や高さ約15㍍の回廊からの景観等を案内することになった。

 26日の一般公開事業承認書授与式は灯台で行われ、田辺海上保安部の上野春一郎部長がNPOの小薮理事長に承認書と施設の鍵を授与。同保安部は「今後、日ノ御埼灯台をより多くの地域の皆様、観光客の方に見ていただき、地域の活性化に貢献できれば」と話している。