前線と低気圧の影響で、近畿地方は18日の夜遅くにかけ、局地的に雷を伴った激しい雨が降る見込み。県内は12日から続いた雨が16日に一時やんだが、17日の未明から再び降り始め、日高地方でも断続的に強くなった。この雨で日高川町内などでは道路の冠水が発生。これまでの雨で地盤が緩み、災害が発生する可能性が急に高まる恐れもあるとして、気象台は土砂災害に警戒するとともに、低い土地の浸水や河川の増水に注意するよう呼びかけている。

 大阪管区気象台によると、前線や低気圧に向かって南から暖かく湿った空気が流れ込み、近畿地方は大気の状態が非常に不安定になって、18日の夜遅くにかけて局地的に雷を伴った激しい雨が降る見込み。18日朝までの24時間に降る雨の量は近畿の中部と南部の多いところで180㍉、さらに19日朝までの24時間雨量は近畿の多いところで100~150㍉と予想されており、その後も前線は20日ごろにかけて日本付近に停滞する見込みとなっている。

 日高川町のアメダス川辺観測所では、12日から15日までの4日間で189㍉の大雨となり、8月の平年値(186・3㍉)をオーバー。16日はやみ間に入ったが、17日未明から再び雨が降った。

 県の観測情報では12日の降り始めから17日午前9時までの総雨量が日高川町の小川で700㍉を超えているほか、美山で400㍉、由良、印南、みなべ各町の多いところで300㍉、御坊市と日高町の多いところでも200㍉を超過。17日の午前中には日高川町の平川で6時からの1時間に66㍉、御坊市の野島で5時40分からの1時間に59㍉の非常に激しい雨、日高川町の中津や印南町の印南原でも最大時間雨量が40㍉超の激しい雨が降り、日高川町には一時土砂災害警戒情報が出された。

 日高川町和佐地内千曳橋付近の陸橋下県道では、山から流れ出た水で水深30㌢ほど冠水。徐行や迂回する車が見られた。御坊市藤田町吉田~日高川町鐘巻地内の県道日高印南線も冠水のため400㍍にわたって全面通行止めとなった。

 JRきのくに線も、午前6時14分に和佐駅に設置された雨量計が規制値に達し、御坊―田辺駅間で運転が見合わされた。午前10時20分に運転が再開されたが、特急6本、普通列車8本の運休や、普通列車に最大282分の遅れなど、通勤客ら約1000人に影響があった。