東京オリンピックは日本勢のメダルラッシュもあって、「ほんとに開催できるの」という大会前の不安の声を吹き飛ばす盛り上がりである。大会開催を信じ、ここに照準を合わせてただひたすらに自分を磨いてきたアスリートの精神力と努力がにじみ出ているように感じる。コロナ禍であってもスポーツが人々に与える力は絶大。テレビの前で「いけ」「よっしゃ」そんな掛け声を上げている人も多いだろう。筆者ももちろんその一人。やっぱりオリンピックを開催してくれてよかった、そんな思いでいっぱいだ。

 サーフィン、スケボーなど新種目の面白さに触れられるのも2020のいい所。趣味で楽しむものというイメージだったが、スポーツそのものということを見せてもらった。個人的には、陸上競技が始まってますます盛り上がっている。注目選手の一人、男子3000㍍障害の三浦龍司選手の走りには驚かされた。最初から最後までトップ争いを演じ、自身が18年ぶりに更新した日本記録をさらに6秒以上も短縮する驚異的な記録で予選1組を2位通過、日本勢49年ぶりの決勝進出を決めた。メダルも狙えるんじゃないか、そんな期待を膨らませてくれる、本当に積極的なレースが光っていた。2日夜の決勝が楽しみで仕方ない。

 過去最強の男子100㍍の日本選手陣、リレーなど見どころはこれからで、まだまだ楽しませてくれそう。夏休みで家にいる少年少女にも大きな夢を与えていることだろう。将来、この舞台に立ってみたい、いや立ってやる、そう奮い立っている子どもたちがいるはず。これがオリンピック開催の大きな意義の一つである。今しばらく大いに熱狂し、元気をもらおうではないか。(片)