最近、日中はもちろん、夜間も暑く寝苦しい日が続き、本格的な夏の訪れを感じる。少しでも暑さを軽減できないかと、ネットなどでさまざまなグッズを調べている。冬に使用する温める商品はかなり充実している。すぐに温風が出る小型のセラミックヒーターや服自体が温かくなるヒーターベストなど。一方で冷やす商品は基本、風を送ることはできるが冷風でなく常温の風の場合が多く、他には氷を使ったりと、比較的原始的なものが多い。

 卓上や手持ち用の小型扇風機、少し前からは首にかける扇風機も登場し、風を浴び続けることで比較的快適だが、最近は冷たいプレートで首元を冷やす商品も出てきている。ホームセンターなどで並んでいるので見たことのある人もいると思うが、ネッククーラーなどと呼ばれ、首の左右を冷やしてくれる。店頭のサンプルを触ってみたが、実際かなり冷たく、缶ジュースを首元に当てて冷やすような効果を得られる。

 調べてみると「ペルチェ素子」というものが使われている。ペルチェ素子とは「ペルチェ効果を用いた板状の半導体熱電素子の一種で、ある方向に直流電流を流すと、素子の上面で吸熱(冷却)し、下面で発熱(加熱)する」とのこと。とにかく電気を使ってプレートを冷たく、または温かくできるのだろう。

 この技術はさまざまな分野で使われているが、身近なものではネッククーラーのほかスマホクーラー、小型冷蔵庫などでペルチェを使った商品が見つかる。ただ、購入者レビューなどを見る限り、暑さ対策にはまだ物足りないとの声が多く、排熱やバッテリーなどの問題もあるようだ。それでも今後の発展に期待したい。数年後には猛暑の中も快適に生活できる時代が来るかもしれない。 (城)