坂本哲志地方創生担当大臣(70)が28日、白浜、田辺、広川、有田、和歌山の県内5市町を訪れ、地方創生の取り組みを視察した。

 地方創生の一環で展示物の多言語化をした広川町の稲むらの火の館では、安政元年(1854)11月5日に大地震が発生した際に稲むらに火を放ち、津波から住民を安全な場所に避難させた濱口梧陵の功績を紹介。この日は﨑山光一館長(71)のほか、西岡利記町長や西博義名誉館長が施設内を案内し、水を使った津波シミュレーション装置で津波が襲来する仕組みについても解説した。

 濱口梧陵が進めた防波堤(広村堤防)建設の様子を再現したジオラマの展示もあり、坂本大臣は「現在の公共事業の先駆け。地震は世界中で起こっており、危機意識を高めなければならない」などと話していた。

 﨑山館長は「稲むらの火に高い関心を示していただいた。いろんな場面で地震、津波の啓発を含めて発信していただければ」と期待していた。

 坂本大臣は白浜町のITビジネスオフィスや和歌山市内の統計データ利活用センターも訪れ、仁坂吉伸知事と意見交換。県内の地方創生の取り組みを広く周知していくことを約束した。

写真=広村堤防建設のジオラマを視察する坂本大臣㊨と﨑山館長