写真説明=千里の浜で産卵するアカウミガメ(日本ウミガメ協議会提供)

 高知県室戸岬沖の定置網にかかり、保護されたあと放されていたアカウミガメが今月22日、みなべ町千里の浜で無事産卵した。保護された際、GPS発信機を取り付けたため、その後の行動が明らかになった。

 みなべ町教育委員会によると、母ガメは4月中旬、定置網にかかって保護された。甲羅にはタグが付いており、2年前に千里の浜で産卵した個体であることが分かっていた。近年、アカウミガメの個体数が減少傾向にあるといわれ、生態を調査しようと日本ウミガメ協議会が発信機を取り付けて海に放流した。その後2カ月ほど回遊し、千里の浜に上陸、無事産卵。産卵の様子を同協議会が撮影に成功した。今後も数回に分けて産卵するとみられている。

 町教委の担当者は「発信機を付けたままなので、今後もどのような行動をするのか追跡でき、生態が少しでも分かるかもしれない。ウミガメは生まれた所で産卵するといわれているので、これからも安心して産める環境を守っていきたい」と話した。

 千里の浜では今シーズン、上陸・産卵は低調で、まだ一桁という。