写真=日ノ御埼の地名について説明する玉置さん

 御坊文化財研究会の例会が13日、御坊市民文化会館会議室で開かれた。昨年は新型コロナで開かれず、2年ぶり。玉置芳男副会長が「美浜町三尾の『日の岬』という地名について」のテーマで研究結果を発表した。

 一般も含めて12人が参加。玉置さんはまず「三尾の日ノ御埼は昔からご来光を拝んだり、最近ではカップルが夕日を眺めるスポットにもなっている。朝日や夕日に関係があるのか、それとももっと違った意味があるのか」と話し、「全国に『ひのみさき』と呼ばれる地名は2カ所だけで、美浜町三尾の日ノ御埼と島根県出雲市大社町の日御碕」と説明。「さまざまな文献から、古来より出雲と紀州には交流があったと思われる。三尾の日ノ御埼は紀伊半島の最西端にあり、また出雲の日御碕も島根半島の西端にある。両者とも海中に岩礁が多く点在し、海上交通の難所。景観が似通っていることもあり、互いの交流の中から同じ名前がつけられたのではないか」との説を述べた。

 発表のあとの質疑応答では出雲と紀州の交流について質問があり、玉置さんは「出雲からこちらへ来たという話は多くあるが、逆はあまりない」など答えていた。