全国26連盟のリーグ戦を勝ち抜いた27の代表校が日本一を争う全日本大学野球選手権は10日、神宮球場で準々決勝4試合が行われ、井元勘太選手(4年)=湯川中―沖縄尚学=がキャプテンを務める福井工大(北陸大学)が名城大(愛知大学)に17―8で大勝。27年ぶりの4強進出を決めた。井元選手は2回に三塁打を放つなど4打数1安打2得点と活躍。準決勝は12日、神宮で福岡大(九州六大学)と対戦する。

 福井工大は今大会、1回戦で北海学園大(札幌学生)を11―3、2回戦で大阪商大(関西六大学)を4―1で下し、準々決勝へ進出。この日の名城大との試合は打線が爆発し、17得点は2018年の東海大(対明大戦)以来、4度目の大会タイ記録で、両チーム計25得点は新記録となった。

 井元選手は7番二塁で先発出場し、2回に先頭で右中間を破る三塁打を放ったほか、2四球、2得点と活躍。試合後のインタビューでは「(名城大は)オープン戦で負けていた相手だったので、試合前には全員で絶対に勝とうと気合を入れ、一人ひとりが一球に集中し、チャンスを多くつくってものにできた」と振り返り、次の福岡大戦に向けては「苦しい試合になると思うが、自分たちの強みであり、モットーでもある全員野球で戦いたい」と決意を示した。

 沖縄尚学時代は1年生のキャプテンに指名されたが、ひざのけがに苦しみ納得のいく3年間ではなかった。試合をスタンドから観戦した父晴彦さんは、「大学で大所帯(約180人)のチームのキャプテンとなり、仲間を引っ張っている姿に大きな成長を感じました。本人の体調はよさそうで、チームの雰囲気もすごくいいと聞いていますので、チームメートから〝仕事人〟と呼ばれている自分の役割をきっちりと果たし、日本一に向かって頑張ってほしい」と話している。

 福井工大には井元選手のほか、中野聖那外野手(4年)=名田中―紀央館=、井戸柊太投手(1年)=大成中―紀央館=が所属している。