写真=「出会ってくれてありがとう」 を手に誠二郎さん

 約20年前から路上などで出会った人に詩を即興でつくって届ける活動を続けている、田辺市龍神村福井の詩人で書家の誠二郎さん(44)=本名・薮田誠二郎=が、エッセイ集「出会ってくれてありがとう」を自費出版した。

 広島県生まれ、岡山県育ち。中学1年から、自分の言葉がうまく出ない吃音(きつおん)に悩み苦しみ、人前が苦手になる。22歳の時、友人の自殺をきっかけに人生を変えようと決意。かばん一つでインド・ネパールへ一人旅に出る。帰国後、宮崎県綾町に移住し、農業を通じて生命について学び、不登校の子の教育に携わった。

 2002年5月、「世の中を素敵にしたい」との思いから筆を手に日本中を巡り、路上などで出会った人に詩を届けている。これまでに約1万9000人に創作した。

 著書はほかに「二十一日で世界六十六億人に幸せを届ける方法」などがあり、09年に自然と調和した生活を送りたいと、龍神村に移住。アトリエ「魂の故郷龍神」を構えた。

 今回の「出会ってくれてありがとう」は熊野の森などで撮影した写真を掲載し、第1章「大切なことはいつもシンプル」、第2章「あなたの幸せ。みんなの幸せ。」、第3章「世界が変わる十の方法」で構成。幸せに生きることの大切さなどを訴えている。

 価格は1500円(税別)。書店のほか、申し込みサイト(http://yoyaku.sei-world.com)などで購入している。問い合わせは、出会ってくれてありがとう事務局℡070―8544―5252。

 誠二郎さんは「私の愛する人に届けたくて精いっぱい書きました。これから出会ってくれる人たちが自分に後悔してほしくなくて、幸せでいてほしい。世の中がより素敵に輝くことを心から願っています」と話している。