先日、日高高校附属中学校でSDGsをテーマにしたカードゲームが行われた。ゲームは「お金」「時間」「意思」の3つの資源があり、それぞれ決められた資源を一定数集めればクリア。プレーヤーごとに目的が異なるため、他プレーヤーと交換したり、またプロジェクトカードというものも配られ、資源を使ってプロジェクトをこなすことで、ほしい資源を獲得できる。

 プロジェクトはインフラ整備や貿易などがあり、プロジェクトを実行するたびにプレーヤー共通の「経済」「社会」「環境」の世界状況パラメーターが変動。プレーヤーが自身の目標のために行動していれば、世界状況に偏りができ、不平等な世界となる。プレーヤーたちは各目標値達成を目指しつつ、世界状況も意識しなければならない。

 附属中生たちのプレーを見ていて印象的だったのは、活発な交渉だ。スタートと同時に席を立ち、他プレーヤーの元へ行って交渉するなど、積極的な姿が見られた。最終的には世界状況もよくなり、プレーヤーも目標値を達成できていた。ゲームの進行役を務めた㈲メモリアルウエストの畑哲良さんも、大人のプレーヤーより交渉が活発だったと述べていた。

 大人ではさまざまな要因から他人との交渉をためらうことがあるが、子どもたちはストレートに意見をぶつけあい、交渉することにも戸惑いがないように思えた。結果として、ゲームの目的を達成できたのだろう。

 このゲームのプレーヤーは一国を意味している。世界状況を改善するためには各国の協力が不可欠で、そのためには積極的な話し合いが必要であること、またその要になるのは若者同士の国際交流であると、ゲームを楽しむ生徒たちの姿を見て感じた。(城)