写真=WEST EXPRESS 銀河(JR西日本提供)

 今年の7月から京都~新宮間(紀南コース)を運行するJR西日本の人気観光列車「WEST EXPRESS 銀河」について13日、JR西日本和歌山支社が運行計画を発表。停車駅は、太地や串本、紀伊勝浦など紀南エリアが中心で、観光産業活性化に期待が高まっている。

 「銀河」は、多様性やカジュアルとくつろぎの両立をキーワードに新たな長距離列車として昨年9月に運行を開始。これまで山陰、山陽方面で営業しており、運行開始当初は定員の約40倍の申し込みがあるなど高い人気となっている。紀南7市町村の首長らが運行を要望し、県内への乗り入れが実現した。

 紀南コースは、7月16日から12月22日の間、週2往復程度運行される。京都・新大阪から新宮方面行き(下り)は夜行で、串本駅では約2時間停車し、南紀熊野ジオパークガイドの案内で、早朝の橋杭岩の絶景などを楽しむ。新宮から京都・大阪方面行き(上り)は昼行で、幅4㌔に及ぶ王子ケ浜(新宮市)と並行して走る区間は徐行し、車窓からの壮大な眺望を鑑賞。夕食、昼食はいずれも、弁当で、すさみ町の「ホテルベルヴェデーレ」や新宮市の和食店「阿呍」など紀南エリアの名店の味が車内にデリバリーされる。

 JR西日本和歌山支社の冨本直樹支社長は会見で運行計画を発表し「当エリアは深い歴史文化、豊富な観光資源に恵まれた素晴らしいエリア。銀河運行を契機に、持続的な紀南への誘客に地元の皆さまと一丸となって取り組んでいきたい」と話していた。

 銀河受入協議会会長の田岡実千年新宮市長は「コロナで大きく落ち込む地元観光関連事業者はじめ地域全体に良い影響を与えるものだと大いに期待。何度も当地方へ足を運んでいただけるよう魅力を発信していきます」とコメントしている。

 客席は、新型コロナ対策で定員を4割減らした54人で宿泊とセットで販売。予約は14日午後4時から、日本旅行のホームページで受け付けが開始され、応募多数の場合は抽選となる。全席指定で、1人2万6800円から。上り列車運行日(日、水曜の特定日)は、御坊駅を午後6時40~50分ごろに通過する銀河が見られる。