某大手生命保険会社の調査によると、今年の大型連休に家族で使う平均予算は2万463円で、昨年より減少。夫の小遣いの平均も2年連続で減り、コロナ禍で収入と外食が減ったことが影響しているという。

 会社員の友人は、10年以上、満足な昇給もボーナスもなく、飲み会などで年収の話になれば黙ってやり過ごす。コロナでさらに景気が悪くなり、会社ではもう誰も給料や昇給の話をしない。気分が落ち込むだけだからだそうだ。

 アベノミクスの果実など1㍉も届かぬ地方の零細企業の従業員にとって、定期昇給やボーナスがなくなるのはもちろん、コロナにより定年まで働き続けられるかどうかすら分からない。自分は何のために仕事を頑張っているのか…。

 働けど働けど、なお楽にならないわが暮らし。多くの人はじっと手を見ながら「自分はお金ではなく、この仕事が好きだから頑張ってきた」と考える。いまの仕事が好きだからこそ、苦しくともこつこつ努力を重ねてきたのだと言い聞かせる。

 それでも崩れそうなときは、上司や仲間を考える。どんなに苦しくとも、自分のことを理解し、信頼を置いて仕事を任せてくれる上司や仲間のためなら、命を投げ打ってでも尽くそう。そこまで思える人は、逆に幸せかもしれない。

 10年前、福島第一原発が地震と津波でやられ、原子炉から大量の放射能が漏れた際、東電の現場の技術者たちは、指揮官である吉田所長となら死ねると思い、決死隊となって暗闇の原子炉建屋に突入し、福島と日本を救ったのは真実である。

 チャップリンは、人生には勇気と想像力と少しのお金が必要だといった。いま、企業が生き残るために必要なものは、最後はトップと社員の信頼ではないか。(静)