写真=今年2月中旬、日高川町中津川の山で捕獲オリに群がるサル(町農業振興課提供)

 県は2020年度、日高川町玄子で「GPS(全地球測位システム)首輪」を活用したニホンザルの行動調査を行い、前年度に同町蛇尾で207頭の大きな群れが確認されたのに続き、玄子でも217頭の大きな群れが確認された。

 県では18年から日高町、由良町で調査を始め、2年目に日高川町も調査の対象となった。20年度の調査は1月7日から2月15日にかけて、大人のメスザルの首に発信機をつけて群れに合流させ、行動範囲と集団情報を記録。一日6回、居場所をGPSで感知し、地図上に記録。2月16日には、玄子地内の妙見に集結しているのが確認され、早藤の松尾から西に向かって、県の委託業者が爆竹を鳴らしながら西に向かって横群列で一掃作戦を実施した。中津川の県道上には6カ所に監視カメラを設置。中津川のカナヤマ方面に逃げるサルを全数記録、撮影に成功した。

 群れは成獣(4歳以上)が94頭、子ども(0~3歳)が123頭の計217頭。千津川、中津川、玄子、早藤、入野、小熊、北吉田(御坊市)を行動範囲にしているとみられている。

 GPS首輪による行動圏調査が4年目となる今年度は、巨大な群れは一度に大きな被害が発生することから、大量捕獲対策を検討している。

 日高地方ではサルの群れが27群確認されており、日高川町での成功事例をつくり、他の地域にも示したいという。