印南町は今年度の新規事業として、子育て世代や支援者を対象に新型コロナウイルスのPCR検査を、実質無料で受けられる助成金交付制度を導入した。検査費は病院によって違うが、2万円以上と高額な場合が多く、いざ心配になって検査を受けようと思っても二の足を踏むのが現状。安心して出産や子育てができる環境をつくっていく。

 PCR検査は感染者の濃厚接触者が受ける行政検査や高熱などの症状により医師が必要と判断した場合、初診料などを除く検査費用を国が全額負担するが、一般的に検査を希望する場合には全て自己負担となる。また、県では妊婦の出産前に限定して検査費を上限2万円で助成し、日高地方では日高川町が昨年12月から、妊婦の付き添いの人のみを対象に上限1万5000円で助成している。

 印南町は子育て世代の本人や、妊婦、出産、子どもの入院に付き添う人、祖父母ら子育て世代の支援者、障害者を養育する保護者ら年齢に関わらず幅広く対象として助成。上限額は2万2000円で、日高病院での検査費と同額に設定した。

 助成対象は検査を受ける時に町内に住所を有する人、または町内に住所を有する子育て世代の人の配偶者や親族。申請は1回につき2人まで。受診機関は自由に選べる。申請には検査費などが確認できる領収書や母子健康手帳の写しが必要。

 住民福祉課では「子育て世代の本人はもちろん、例えば大阪に住んでいる祖父母に子どもを預けたいが、その祖父母の検査をしたいといった場合でも適用できます」と話している。

 申請は今月1日から受け付けており、問い合わせは同課℡0738421738。