写真=県内警察署再編案の概要

 県警は2022年度に有田署を湯浅署、串本署を新宮署にそれぞれ統合し、現在の14署から12署体制とする再編案を発表した。社会・犯罪情勢の変化や大規模災害への対策を背景に、マンパワーの集中運用、大規模災害時の警察機能喪失の防止、等が目的。統合後の名称は湯浅署、新宮署で、両署の庁舎を本署とし、有田、串本両署の庁舎に一部の警察行政機能を残す。4月23日まで再編案に対する意見を県民から募っている。

 再編案によると、有田署が管轄する有田市は湯浅署、串本町が管轄する3町のうち、串本、古座川両町は新宮署、すさみ町は白浜署が受け持つほか、白浜署が現在田辺署管内の上富田町をカバー。再編後は湯浅、新宮、白浜各署の人員を増員するという。県内の警察署が再編されるのは和歌山北署が和歌山西署から分署した1968年以来。

 再編案の目的は、隣接する2つの警察署の統合で1つの署に警察官を増員して集中運用し、パトロール活動や事件事故への対処態勢を強化。地域でのさまざまな警察事象に即応するとともに、南海トラフ巨大地震に伴う津波被害が想定される有田、串本両署エリアの警察機能喪失を防止する。

 一方、現在の有田署と串本署の建物は、それぞれ仮称で湯浅署有田分庁舎、新宮署串本分庁舎とし、行政サービス(運転免許証の更新業務は除く)は継続。交通課、生活安全刑事課といった捜査や取り締まり部門は統合後の湯浅署、新宮署に移管する。

 再編案には警察署統合のほか、警察本部の強化として、生活安全部にストーカー、DV、児童虐待といった人身安全関連事案の司令塔的機能を有する人身安全対策課(仮称)を設置。警備部に総合調整と危機管理機能を強化するため、警備企画課(仮称)の設置も盛り込んでいる。

 再編案の詳細は、県警のホームページや県内の警察署で資料が見られる。意見は住所、氏名、電話番号を記載し、いずれも県警本部警務課「御意見募集担当」宛てで、郵送は〒640―8588、和歌山市小松原通1丁目1番地1、ファクス(073―423―0560)、メール(e8003001@pref.wakayama.lg.jp)へ。

 県警は寄せられた意見を踏まえ、必要に応じて修正したうえで、新年度内に再編計画を決定する。