みなべ町担当になってから、ミツバチを取り上げる機会が非常に増えた。これまで関心を持つことはほとんどなく、おいしいハチミツを提供してくれるかわいい昆虫ぐらいの認識だったが、いろんな専門家の話を聞くうちに、世界の食料生産にも大きな影響を及ぼす大きな力を持った生き物であることを勉強した。みなべ町では特産の南高梅の受粉にミツバチは欠かせず、世界農業遺産である梅システムで重要な役割を担っているという点で有名だが、それでも関心を寄せている人はまだまだ少ない。
先日、世界農業遺産オンラインカフェの講師を務めた京都産業大学の高橋純一准教授がミツバチについて講義した。ミツバチは植物の受粉を助け、結果として食糧生産、人々の生活、生物多様性にとって非常に重要な野菜や野生植物を繁栄させ、生態系を支えている生き物なのだ。もしミツバチの減少が続けば、世界中の作物生産のなんと35%に影響を及ぼすといわれている。国連食糧農業機関によると、果物やナッツ、野菜など栄養価の高い作物の生産が少なくなり、アンバランスな食事が常態化してしまう危険もあるというのだから、見過ごせない。
日本固有のニホンミツバチは特に減少が危惧されている。感染病の影響のほか、スギやヒノキの人工林には花の蜜や棲み処(木の穴など)がなく、生息できる環境ではないことも要因。ミツバチを守ることは、多くの動植物を育んできた広葉樹が広がる豊かな里山を守ることと密接な関係がある。少し先だが5月20日は3年前から「世界蜜蜂の日」に制定されている。環境や生態系を守ることは、まず関心を持つことから始まるのだと思う。(片)


