みなべ町の南紀用水土地改良区がスマート農業の一環で2018年度から取り組んでいるICT水管理モデル事業で、園地への電磁バルブや制御盤の設置が今年度で完了し、4月からいよいよ実証実験をスタートさせる。梅畑での自動かん水をメインに、生産者が手動で行っている園地でのバルブの開閉を、スマートフォンなどで遠隔操作できるようになる。農家にとっては利便性向上につながると期待されている。
島ノ瀬ダムを管理し、みなべ町内一帯のスプリンクラーかん水システムを運営している同土地改良区は、国のICT水管理モデル事業に18年度から取り組んでいる。初年度は事業の概要設計をまとめ、19年度は気象観測機器等を設置して気象と土壌水分を継続的に観測している。今年度は自動かん水と遠隔操作に必要な園地内の電磁バルブや制御盤、ネットワークカメラ、無線アンテナなどを設置。自動システムが整ったことで、新年度からは同土地改良区会員の農家3軒の協力を得て、西本庄地内、奥谷パイロット園地の3園合わせて1・5㌶で実証実験を行う。
かん水は現在、農家がそれぞれ園地でバルブの開閉を手動で行っている。各園地ごとに日時が決まっており、場合によっては深夜や早朝に園地へ足を運んでバルブの開閉作業を行わなければならない。自動かん水システムは水圧でバルブが開閉できるため、最初にバルブを開けておけば後はスマホやタブレッド端末で遠隔操作できる。農家にとってはわざわざ園地へ出向く必要がなくなり、大きな労力削減となる。気象や土壌水分の観測と、実際のかん水量などをデータ化することで、より効果的なかん水のタイミングなども検証することにしている。
22日には南紀用水地区事業推進協議会(会長=小谷芳正みなべ町長)の総会のあと、協議会メンバーのみなべ町や田辺市職員らが現地を視察。副会長の真砂充敏市長も参加し、「生産者にとっては大きなメリットのあるシステム」と普及に期待を寄せた。
同土地改良区は「生産者にとってはいいシステムになると思うが、実際にやってもらって効果や課題を検証したい。地域農業発展の一つの方策としていい結果が出ることを期待している」と話している。

