2年ぶりの春の高校野球「センバツ」が開幕した。開会式は感染対策のため、出場校32校のうち、初日に試合のある6校のみが行進。残りの26校は事前に学校のグラウンドなどで撮影した行進の映像が球場のスクリーンに映し出された。この開会式を報じるニュースを何気なく見ていて、宮城県の仙台育英のキャプテンが務めた選手宣誓に釘付けになった。
宣誓は、新型コロナの感染拡大を受け「この1年、日本や世界中に多くの困難があり、それぞれが大切な多くのものを失いました。答えのない悲しみを受け入れることは、苦しくてつらいことでした」と振り帰り、「しかし、同時に多くのことを学びました」と続けた。「当たり前だと思う日常は、誰かの努力や協力で成り立っているということです」とし、大会開催へ感謝や感動、希望など、全国の高校球児の思いを代弁。東日本大震災から10年が過ぎたことにもふれ、「多くの支援を受け、困難を乗り越え、希望の未来に復興が進んでいます。これからの10年、私たちが新しい日本の力になれるよう歩み続けます」と力強く決意を述べた。最後は「2年分の甲子園。一投一打に多くの思いを込めてプレーすることを誓います」と締めくくった。
同校は、昨年のセンバツも出場が決まっており、直前の中止を経験。大震災の被災もしかりで、落胆を乗り越え、夢の舞台を迎えたからこその重みや、かみしめるような言葉に、これまでのたくさんの思いが詰まっているのが伝わってきて、心を打つ素晴らしい選手宣誓だった。
一つのことに打ち込み、打ち砕かれても前を向き続ける姿勢はまぶしくて尊敬する。新型コロナの収束にはもうひと踏ん張り必要で、全国にその力を注いでくれているように感じた。(陽)


