写真=女神のキャラクターがデザインされた中山王子カード

 印南町は町内にある熊野古道の中山、斑鳩、切目、叶の4王子のオリジナルキャラクターをそれぞれ考案し、4種類の王子カードを作成した。漫画やアニメに登場しそうなかわいく個性的なキャラクターが描かれ、裏面には各王子の写真や説明文を掲載。若者層をはじめ広く観光客らに4王子をPRしようと、現地を訪れた人を対象に、近く無料進呈を開始する。

 かつて熊野詣の途中で儀礼を行った熊野古道九十九王子のうち、印南町内には4王子がある。中山王子(島田)は太平洋や街並みが見渡せる見晴らしのよい場所に建立されており、祭神が女神である市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)であることにちなみキャラクターをデザイン。斑鳩王子(印南)は「富の王子」とも呼ばれ、勤勉な聖徳太子のようなキャラクターをイメージ。特に高い格式を持つ切目王子(西ノ地)は、片足がない神の物語があり、腰に手を当てて真っすぐ前を見据えるりりしいキャラクターを考案。津井の浜沿いから、現在の場所に移転された叶王子(印南)のキャラクターは、モリを肩に掲げた勇ましい風貌をイメージしている。

 王子カードは縦9㌢、横6㌢。カード全体のデザインは和歌山市の「MtoW(エムとダブリュ)」が担当、キャラクターデザインは大阪市の株式会社かえるフィルムに依頼し、イラストレーターのマツシタカズミンが手掛けた。表にはそれぞれのキャラクターのほか、御朱印やカエルが描かれている。裏には写真や説明文のほか、日高広域観光振興協議会にアクセスできるQRコードを掲載。縁取りには熊野三山のシンボルのヤタガラスを使用している。事業費は約80万円。

 スマートフォンで写真撮影するなど、現地を訪れた証拠を持って役場企画産業課に来ればカードを進呈。現在、業者に発注してカードの印刷を行っており、今月中に納品されしだい、発行開始する。各500枚。

 同課は「切目王子の世界遺産登録という話もある。この機会に町内の歴史ある4つの王子を、そろってPRしていきたい」と話している。今後、4キャラクターについては等身大パネルの作成など、カード以外でも活用していく。