写真=御坊市内での取り組みを説明する三浦市長

 河川流域の自治体や関係機関が連携し、流域全体で水災害を軽減させる治水対策「流域治水」を推進する第6回の日高地域等における大規模氾濫減災協議会が17日、WEB開催され、日高川流域治水プロジェクトの中間報告が行われた。日高地方各市町の首長らが取り組みを説明。このほか、切目川と南部川の各流域治水プロジェクトの素案が示され、いずれも2021年度中のプロジェクト策定に向けて話し合った。

 流域治水は集水域と河川区域だけでなく氾濫域も含めて一つの流域として捉え、地域の特性に応じて①氾濫をできるだけ防ぐ、減らす対策②被害対象を減少させるための対策③被害の軽減、早期復旧・復興のための対策――をハード・ソフト一体で多層的に進める対策。流域全体で緊急的に実施すべき流域治水対策の全体像を「流域治水プロジェクト」として策定、公表し、流域治水を計画的に推進する。

 日高地方では昨年10月、日高川流域治水プロジェクトの素案を公表し、12月から今年1月にかけて流域市町でヒアリング(課題抽出・対策の検討)を実施。この日の会議には構成員やオブザーバーで日高地方7市町、田辺市、近畿中国森林管理局和歌山森林管理署、森林整備センター和歌山水源林整備事務所、和歌山地方気象台、県の総務、農林水産、県土整備各部、日高、西牟婁各振興局、近畿地方整備局河川部、関西電力㈱水力事業本部田辺水力センターが参加した。

 日高川流域治水プロジェクトの中間報告では、日高川町がため池管理者への点検や事前放流・低水位管理の依頼、田辺市が民間事業者による土砂堆積箇所の砂利採取、美浜町が支川の水位を低下させるため大規模出水前に農業用樋門操作、御坊市が可搬式ポンプの配備といった取り組みを紹介。さらなる対策が必要として、田んぼ・ため池の治水利用や氾濫域での被害想定に対する土地利用規制の追加対策案が示された。

 今後、日高川については21年出水期までに流域治水プロジェクトを策定。切目川、南部川は印南町、みなべ町でそれぞれヒアリングを実施し、22年3月までにプロジェクトを策定する。