御坊署は、2020年中の管内刑法犯認知件数をまとめた。総数は222件で前年比9件、14年連続の減少となったものの、うち車上狙いが29件で2件増加。29件すべてが無施錠で墓参り中やスーパーでの買い物中に被害に遭うケースがあった。また、県内市町村別犯罪率で御坊市が2年連続ワースト1位。警察は引き続き警戒を強化し、犯罪抑止に力を入れていく。

 御坊署管内認知件数のうち、街頭犯罪は103件で21件減少。重要犯罪は4件で3件増え、侵入盗は3件増の23件だった。最も多かった罪種・手口は、車上狙い。次いで万引きが21件(2件減)、器物損壊が17件(同)で続いた。

 増加した主な犯罪は、すり(12件)が11件増、倉庫荒らし(9件)は9件増、自販機狙い(8件)7件増。減少したのは、自転車盗(16件)が22件減、暴行(14件)は8件減、出店荒らし(0件)で6件減となった。

 車上狙いは一年間を通し、管内の各地で多発。路地のほか、墓地の近くやスーパーの駐車場、子どもの送迎に止めた車から数分離れた隙に、現金の入った財布や手提げかばんが盗まれるケースが目立った。

 人口1000人当たりの件数でみる犯罪率は、御坊市が5・94でワースト1(前年6・39で1位)。ほか日高地方は、由良町が2・44で16位(1・74で24位)、みなべ町が2・27で17位(1・83で22位)、日高川町が2・15で20位(0・73で29位)、印南町が2・10で22位(1・76で23位)と犯罪率が悪化。美浜町は3・28で9位(3・79で8位)、日高町は1・30で29位(1・96で20位)に改善された。

 同署は「街頭監視の強化や自主防犯組織の皆さんらの熱心な活動があり、地域や住民の皆さんの防犯意識の高まりのおかげで刑法犯は減少している。今年も関係機関と連携しながら、抑止と検挙の両輪で一層の防犯に努めたい」とした上で、「増加した車上狙いは全てが無施錠のときの被害。その他の罪種・手口に含まれていますが、玄関や庭先へ無防備に置いたかばんが盗まれる事件もあった。警察もパトロールを強化しているが、ちょっと離れるだけでも油断せず、鍵をかけることで防げる被害もあるので、自主的な防犯対策をお願いします」と呼びかけている。