写真=擁壁に生まれ変わった猪之山観音付近の工事完成部分

 みなべ町芝地内、花見の名所で親しまれていた猪之山で昨年夏から行われていた県の「猪之山地区急傾斜地崩壊対策工事」の今年度分が、完了した。かつての桜の名所は地域住民を災害から守る擁壁として生まれ変わった。

 猪之山は約45年前、地元住民有志がソメイヨシノ200本を植栽。猪之山観音堂境内には花見台も整備し、南部湾を望む住民憩いの場として長らく親しまれてきたが、ここ数年、大雨が降ると落石などが目立つようになっていた。ふもとには墓地や民家があり、猪之山観音に続く桜並木の町道は避難路にもなっていることから、対策工事を行うことになった。桜の木はほぼ伐採され、コンクリート等で崩落対策が施された。施工は町内の杉谷産業㈱(井口成実代表)と、㈱南部建設(池田裕仁代表)。

 今回完成したのは猪之山観音周辺の工事で、事業全体としては南部保育所付近までの対策工事となっており、順次工事を発注している。