写真=垜幕の下で両団体会員ら

 御坊市島の弓道場に30日、御坊市弓道連盟と日高弓友会からの寄付で、的の上に垜幕(あづちまく)が設置された。一般に弓道場に設置されている幕だが、市の弓道場では1983年の完成時から設置されておらず、地元日高地方の弓道家の念願だった。両団体の会長を務める佐竹節夫さんは「会員がより気持ちよく練習に励み、日高の弓道の発展につながれば」と話している。

 垜幕は一般的に的の上部に設置されているが、同弓道場では設置されておらず、また前面の壁の構造から設置できない状態だった。

 そんな中、練習で道場を使用している日高弓友会メンバーが幕を、御坊市弓道連盟メンバーが幕を設置するための棚壁の工事費を寄付で出し合い、設置した。

 幕には人の心を映すなどという意味の「玄鑑(げんかん)」の文字が染め抜かれており、佐竹会長が考え、湯川町富安の鳳生寺の岩本龍飛住職が草書体で揮毫(きごう)した。

 30日に開かれたお披露目式では、両団体や市教委の関係者らが出席し、設置を祝った。佐竹会長は「皆さんの寄付で棚壁と幕を設置することができた。大会会場の道場では幕があるため、普段から幕がある的で練習することでより力を発揮できる」とし、「玄鑑」の文字については「射を見ればその人の心がわかる。弓を引く際は『玄鑑』の文字を見て自分の心がどうなっているか考えてほしい」と話している。