「ウレタンマスク警察」という言葉が出てきている。マスクを着用していない人に対して注意する「マスク警察」という言葉が少し前にあったが、今度はウレタンマスクを着用している人に対し、不織布マスクの着用をするよう求める人のことだ。

 ウレタンが不十分と言われるようになったのは、昨年公表されたスーパーコンピューター「富岳」によるシミュレーション結果から。吐き出し時の飛沫量のカット率が不織布は約80%、布は66~82%だったのに対し、ウレタンは50%。また吸い込み時の飛沫量のカット率は不織布が約70%、布が35~45%、ウレタンが30~40%といずれも他の素材より下回っていたからだ。

 「ウレタンの方が密着性が高く隙間ができにくい」などの意見もあるため一概には言えないだろうが、一般的にきちんと装着した状態では、不織布の方が信頼性が高いだろう。

 コロナ当初の不織布マスクの売り切れが続出した際は、代用品として多くの人がウレタンや布マスクを使用した。不織布が出回りだした今でも使用している人は多いが、再利用できるコストパフォーマンス性、さまざまな色があるデザイン性のほかに、不織布より息苦しくないことも理由になるだろう。

 専門家によると一般的に息苦しいと感じるほどマスクの効果は高いらしいが、冬場はまだしも、夏になると熱中症などの危険もあり、マスクの効果だけを求めるわけにもいかなくなるだろう。

 そんな中、一般的な不織布よりウイルス捕集力が高いとする布マスクも登場している。ワクチンには期待したいが、まだまだコロナとの戦いが続くとみられる中、より快適で機能的なマスク技術の進歩に期待したい。 (城)