写真=棟が上がった観音堂

 美浜町和田の入山で、毎年4月の会式に餅投げなどが行われ、地域の住民に「観音さん」として親しまれている入山観音堂の建て替え工事が進んでおり、8日に棟上げが行われた。

 入山観音堂は入山の西側、標高約25㍍の斜面にあるお堂。県立博物館の鑑定によると、本尊は日本で一番古くから信仰されている「聖(しょう)観音」と推定され、文化3年(1806年)に紀州藩が編集した「紀伊続風土記」にも記載されており、200年以上前から祭られていると考えられている。

 お堂の棟札には、寛政5年(1793年)本堂作事、安政2年(1855年)本堂再建、昭和10年(1935年)本堂修築とあり、今回の建て替えは165年ぶりとなる。

 以前のお堂は、長年の風雨や台風により、雨漏りやシロアリ被害など老朽化。中に入るのも危険な状況となっていたため、2019年(令和元年)の地区総会で改築を提案。令和への改元を機に建て替えることが決まり、入山観音堂改築推進委員会(椎﨑武雄委員長)が発足し、建設協議や寄付活動を進め、昨年11月に着工した。

 委員会は「建て替えに動き出したときはまだコロナもなかったが、こんな今こそ観音さんは大切な存在。地域の安心安全、健康長寿を祈願し、お堂の改築に向けて取り組んでいます」と話している。

 観音堂は、山の急斜面を登る参道の整備も含め3月末には完成し、4月18日の会式に合わせて落慶法要が行われる。

 施工は美浜町和田の㈲塩﨑工務店(塩﨑祐司代表)。