医療に恵まれない地域で多大な貢献をしている医師をたたえる住友生命福祉文化財団の第14回地域医療貢献奨励賞の受賞者が発表され、みなべ町立高城診療所の大嶋仙哉(せんや)院長(80)が選ばれた。大嶋院長は、前院長だった父に代わり、1992年から28年にわたり、地域住民の健康な暮らしを守っている。表彰式は来年2月20日に東京都の都市センターホテルで行われる予定。

 地域医療の確保と向上、住民の福祉増進を図るため、地域医療に貢献している医師を毎年顕彰しており、今年は全国の6人が選ばれた。

 大嶋院長の父馨氏(故人)は龍神村出身で、元は和歌山市で開業していたが、戦火で焼き出されて地元に疎開。当時、高城村の同診療所に医師がいなかったことから、45年5月に院長に着任した。以来、47年にわたり院長を務めていたが、高齢のため一線を退き、地域住民の強い要望もあって、92年には父の後を継いで仙哉氏が院長に着任した。

 大嶋院長は高城小、高城中を卒業。65年に大阪大学卒。同大学医学部第一外科、紀南病院外科などを経て89年には紀南病院副院長に就任した。高城診療所院長に就いてからは、診療所のすぐ近くに住み、大嶋院長を慕って来院する地域の患者の診療だけでなく、昼夜を問わず往診にも奔走してきた。高城保育所、高城小、清川小、高城中の学校医、特別養護老人ホームときわ寮梅の里の嘱託医も務めており、地域の子どもからお年寄りまですべての世代の住民の健康維持に貢献している。

 「長くやらせていただいているので、患者さんは顔見知りの人ばかり。顔を見ただけで、また少し話すだけで体調がよく分かるのが町の診療所のいいところでしょうか。特別意識してきたわけではないですが、コツコツやってきた結果、このような賞をいただけたのだと思います。2人の看護師さんと3人体制で、これからも体の続く限り頑張りたい」と話している。

写真=地域住民の健康を守っている大嶋院長