新型コロナウイルスの影響で来年の成人式の対応が日高地方でも分かれている。

 当初、7市町とも感染症対策を徹底したうえで実施する予定だったが、12月に入って全国的に感染が拡大する中、美浜町とみなべ町が延期を決断した。中止ではなく、延期。開催時期は未定だが、一生に一度の思い出のひとときをなくすことはできないとの配慮。延期になったことで準備していた晴れ着のキャンセル料などの問題もあり、保護者からしてみればいろんな意見があるだろう。しかし、万が一、成人式でクラスターでも発生して命にかかわるようなことがあれば…。特に感染が拡大している大阪や東京から帰省してくる新成人もいるだろうから、感染リスクは高まる。長い人生、少し節目を祝うタイミングが遅れてもどうこうないとも言えるし、批判覚悟のうえで成人式を延期としたことは、ある意味評価できる。

 かといって、成人式を実施する自治体を批判するつもりは毛頭ない。式典を簡略化し、乾杯や交流イベントを中止するなど感染予防を徹底すれば、リスクは相当低いと考えられ、さほど心配する必要はないようにも思う。そもそもコロナ禍の中で迎える初めての成人式で、何が正解で、どう対応すればいいのか分かる人はいないので、考えられる最善を尽くすしかない。

 ただ、心配なのは、成人式終了後に懐かしい顔がそろった仲間同士が会食やカラオケなどではめを外し過ぎないかということ。大人数であればリスクが高まるのは言うまでもない。晴れて大人の仲間入りを果たす若者たちには、その大人としての自覚と責任を持って節度ある行動を期待したい。(吉)