ワクチン接種関連法が成立し、新型コロナのワクチンを無料で接種できるようになった。副反応で健康被害が出た場合は国が損害賠償を肩代わりすることも盛り込まれ、国民には原則、接種する努力義務が生じる。

 英国では米国の製薬大手ファイザーなどが開発したワクチン接種が8日から始まり、米国でも15日からファイザー社、22日からはモデルナ社のワクチン接種がスタートする見通しとなっている。

 この両社の有効率はどちらも90%を超えるといわれ、日本での接種開始時期はまだはっきりしないが、政府は先に接種が始まる海外の状況、安全性と有効性の情報をわかりやすく正確に国民に示さなければならない。

 ある新聞社の全国調査によると、ワクチンを接種したいと答えた人は84%だったという。見出しを見て一瞬驚いたが、よく読めば「すぐに接種したい」の15%と「急がないが接種は受けたい」の69%を足した数字だった。

 この日本人のワクチン接種に対する意識について、知り合いの英国人は首をかしげていた。何人もの日本人の知人や友人に「あなたはワクチンを打ちますか」と尋ねたところ、全員が「打ちたくない」「安全性を見極めてから」などと消極的だったという。

 この話と新聞社の世論調査結果は同じであろう。子宮頸がんワクチンの動きをみても分かるように、日本人は病気の原因となるウイルスを恐れながらも、いざワクチンを打つ段階になると、がん以上に副作用を恐れる傾向がある。なぜか…。

 新型コロナワクチンについてはこれから、玉石混交の情報が洪水のように押し寄せる。打つリスクと打たないリスクのどちらか大きいのか。しっかりと見極め、判断したい。(静)