県のブランド鶏「紀州うめどり」合わせて約14万羽が、日高川町美山地区や田辺市中辺路町の計3カ所で死んだまま放置された問題で、県は1日から日高川町初湯川の猪谷農場にあった死骸の焼却処分を始めた。

 この問題は、紀州うめどりを生産してきた有田川町の「有田養鶏農業協同組合」(平松重人代表理事)が経営難に陥り、日高川町内2カ所の養鶏場で計約7万2000羽、中辺路町で約6万8000羽が餓死。放置されたままになっていたことから、県が廃棄物処理法に基づき所有者に代わって処理をする行政代執行に踏み切った。

 猪谷農場では3月から、死骸をプラスチック容器に密封する作業をし、約9200個に詰めて保管。日高地方の自治体でつくる御坊広域行政事務組合との調整が整い、1日から御坊市名田町野島の御坊広域清掃センターでの焼却処理を始めた。

 死骸は容器に密封したままトラックで運搬し、焼却。2日は140個が運び込まれ、作業員が1つずつ焼却炉に入れていた。同町の美山農場と中辺路町の養鶏場はすでに終えており、猪谷農場の死骸の処理は今年度内に完了させる予定という。

写真=死骸の入った容器を焼却炉に入れる作業員