今年は新型コロナウイルスが流行しているため、ちょっと発熱があったり、のどが痛かったりしただけでも「もしかして…」と不安になることもあると思う。

 筆者も夏過ぎから胸が痛くて息苦しく、背中が痛いような、その上、胃が痛く重苦しいような状態が続いていた。それこそ「コロナでは」と思うこともあったが、感染しそうな場所に行った覚えはないし、熱が高いわけでもなく、もちろん味覚・嗅覚障害もない。もともとコロナがはやる前から常にマスク着用、消毒を徹底していたぐらいで、コロナではないはず。なぜ、そんな症状が出るのか。実は医者が苦手というか、待ち時間がすごくかかるのであまり行きたくなかったのだが、さすがにしんどいので診てもらった。心臓のエコー、血液検査、肺レントゲンをしてもらったが原因が分からず。後日、予約して胃カメラと腹部エコーをしてもらったが、やはり原因が分からない。ならば問題ないのか…それはよく分からないらしいが、とりあえず大丈夫とのこと。そう思うと、最近は少し胃の痛みがましになったような気がする。

 先日、県立医科大学が、胃のペースメーカー電位活動と収縮運動の同時測定に世界で初めて成功したと発表した。会見の中で胃カメラなどでも原因が分からないのに、胃痛や吐き気がする「機能性胃腸症」という病気があるのを聞き、何だか自分の症状に似ていると思った。今回の医大の研究はそんな胃腸症の病態解明につながるそうで心強い。

 しかし、胃腸症と比べものにならないほど、世の中にはもっと重い病気で苦しむ人がいる。さらなる医学の進歩を心の底から望む。   (吉)