プロ野球ドラフト会議で広島東洋カープから4巡目指名を受けた智弁和歌山高校の小林樹斗投手が16日、和歌山市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金4000万円、年俸500万円(いずれも推定)で仮契約した。交渉後、小林投手はボールの色紙に「克己心」としたため、「プロで活躍するイメージを持って練習し、もっとレベルアップしたい」とさらなる成長を誓った。

 鞘師(さやし)智也スカウトは小林投手の印象を「智弁和歌山で鍛えられ、体もそれなりにできている。2年生のときは気性の荒さがマウンド上で出ることもあったが、監督の指導をしっかり受け止め成長した」と語り、今夏の大会で試合の途中から登板し好投したことにふれ、「リリーフは高校生には難しいと思うが、すっと(試合に)入っていた。試合の入り方が上手。先発でもリリーフでも戦力になると思う」と高く評価した。

 自身は先日、引退登板した阪神タイガースの藤川球児が憧れ。「年間を通じて同じ打者と何度も対戦する中で、左足の上げ方やグラブの位置などを工夫していた。打者との駆け引きの大切さを学んだ」といい、「プロの世界に一歩近づき、気を引き締めて練習したい。広島は地域に愛されているチーム。1人でも多くの人に名前を覚えてもらい、和歌山の人を勇気づけられる投手になりたい」と抱負を述べた。

写真=「克己心」と書いた色紙を掲げ活躍を誓う小林投手