日高町商工会と県観光交流課、ベトナムの旅行会社の三者が29日、オンラインの観光セミナーで意見を交換した。新型コロナの影響により、日本とベトナムの行き来が難しくなっている中、ビデオ会議アプリを活用して、温泉やクエ、黒竹など日高町の魅力を現地の旅行関係者らにアピール。コロナ終息後の誘客に備えた。

 主催は大手旅行会社HISのベトナムパートナー会社ソンハンツーリストハノイ支店。これまでは、町や商工会、民宿組合などで結成している観光推進戦略プロジェクト協議会の事業などを通じ、商工会の職員らがベトナムに出向いて町の魅力などをアピールしてきたが、新型コロナの影響で現地でのセミナー開催が困難な状況。このため、ソンハンツーリストハノイ支店と日高町商工会などをオンラインでつなぎ、観光セミナーが行われた。

 HISがオンラインによるベトナムと日本の観光セミナーを開催するのは全国で初めてで、以前から現地でのプロモーション活動などを積極的に展開してきた日高町に声がかかった。

 セミナーにはベトナムの旅行会社10社から12人が参加。冒頭、商工会の荊木宣雄事務局長が「コロナが終息したら日本にたくさん訪れていただきたいと思っています。今回は和歌山県や日高町の魅力を紹介させていただきますので、ツアーには和歌山や日高町のコースを入れていただきますようお願いします」とあいさつ。プレゼンテーションはソンハンツーリストの社員がベトナム語で説明し、和歌山県や日高町の魅力をアピールした。日高町についてはクエ料理、温泉、海水浴、黒竹などをPR。関西国際空港から車で1時間の場所にあることなどが紹介されたほか、画面を通じたクイズも行われた。ベトナムからの質問には荊木事務局長と県観光交流課海外誘客班の森下元喜副主査が答えた。

 今回の企画に携わったHISの中村有伽訪日プロモーションハノイ支店リーダーは「コロナ禍でも日高町や和歌山県の魅力を継続的にアピールしたい」と話していた。

 日高町観光推進戦略プロジェクト協議会は2017年に発足。事業を通じて昨年度までにベトナムから250人を超える観光客が同町を訪れている。

写真=荊木商工会事務局長が日高町の魅力を発信(日高町商工会館で)