御坊市藤田町吉田のビジネス翻訳者、文蔵(ふみくら)小夜さん(54)が、国際コミュニケーション英語能力テスト「TOEIC」(トーイック)で、「990点満点」を獲得した。英検1級、国家試験の通訳案内士合格と合わせて“英語三冠王”を達成。「語学を生かして知識を蓄え、社会に貢献できるようにしたい」と笑顔を見せている。

 TOEICは英語によるコミュニケーションとビジネス能力検定試験で、全国約80都市で年に10回行われており、2019年度は約220万人が受験。一般的にTOEICといえば、リスニング(聞く)とリーディング(読む)の能力を判定する「TOEIC Listening&Reading」(L&R)を指し、新卒・中途採用での採用や昇進の基準として試験の点数を参考にする企業も多くなっている。

 TOEIC(L&R)はリスニング、リーディング各100問の計200問。点数は受験者の素点(正解数)に統計処理を加え、10~990点のスコアに換算される。文蔵さんによると、990点は2017年度からこれまでの上位1%になるという。

 小学生のころ、家庭教師の話す本格的で美しい英語に「恋をした」という文蔵さん。TOEICは上智大学文学部時代に900点前後をとり、昨年から本格的に満点へチャレンジした。その間、ビジネス翻訳の仕事をしながら、30歳ぐらいで「英検1級」、40歳ぐらいで「通訳案内士」の試験をパス。ドイツ語の検定1級と通訳案内士、アメリカの公認会計士の試験にも合格して経験を積んできた。

 「あふれる知的好奇心」と「投資したら回収するという〝おばちゃん根性〟」の持ち主で、語学を生かして知識を探求。本業のビジネスだけでなく、メディカル(医療)の分野も学び、今後は気象について勉強したいと思っている。「さまざまな試験の合格で、クライアントが私を買ってくれ、仕事をしながらの勉強ですが、蓄積される知識だけでなく出会う人や世界、その過程で得たものすべてが財産。子どもとのコミュニケーションにもなります」とにっこり。「次は気象について勉強したいと思っています。目指すは気象予報士の試験合格。防災の側面もありますし、引退せずに頑張りたい」と目を輝かせている。