犯罪現場での鑑識技術の高度化を図り、事件に強い警察をつくろうと、御坊署は21日、鑑識競技会を開き、署員が証拠採取の精度を競った。

 生活安全刑事課と地域課の署員8人が、2人1組の4チームに分かれて参加。ある男性があおり運転をされて停車後、降りてきた男に運転席の窓をたたかれ、その後、男がフロントガラスにつばをはきかけたり、ドアを蹴ったりして立ち去ったという器物損壊事件の想定で行われた。

 署員はそれぞれ男性から事情を聴き、鑑識作業を実施。車やその周辺の地面に特殊なシートを貼って足跡を取ったり、車のガラス部分に粉を振りかけて指紋を採取したりし、男性の車に残された男の痕跡を探した。

 1番手で臨んだ望月祐志巡査長(26)、浦島壮一郎巡査(23)組は「時間制限があるなか焦ってうまく見つけられず、悔しさしかない。実際のように被害者の話を聞き、気持ちを考えると、絶対に捕まえたいと思った。もっと自己研鑚し、鑑識活動を犯人逮捕につなげたい」。活動を見守っていた北島彰署長は「証拠品の採取は事件を解決する上で貴重なもの。現場が一番大事。じっくり観察し、一つの資料も見逃さず、事件の立証に結び付けていくため、若い署員にはより経験を積んでもらいたい」と話していた。

写真=足跡を探す署員