仁坂吉伸知事は20日、首都圏などから100人以上を転入雇用するオフィスの誘致に向けた「大規模オフィス移転・多数移住奨励金」を創設したと発表した。

 交付対象は本社機能の一部移転などを行う企業で、県内での操業開始1年後までに100人以上の転入雇用(転勤・UIターン採用等)を実現した場合、転入雇用者らに対する企業からの住居手当に対して半額を補助し、現行の奨励金累計限度額3億円を10億円に引き上げる。また、不動産開発事業者が入居オフィスを整備し、そのオフィスに自ら誘致した企業が操業開始1年後までに100人以上の転入雇用が実現した場合、オフィス建設費用の3分の1、限度額10億円を補助する。

 全国的に企業誘致推進の奨励金として10億円、またはそれ以上の額を設定している自治体はあるが、「転入雇用100人以上」という条件を付けて一挙に大人数を誘致する施策は全国初。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、リモートワークやワーケーションの普及で地方に進出する企業の動きが出る中、いち早くICT・オフィス系企業の誘致を強力に推進していく。

 仁坂知事はこの日の定例会見で「コロナ禍のいまがチャンス。奨励金を一つの武器に大いにセールスをかけていきたい。制度の仕組み上、予算措置は来年度当初となるが、奨励金の事業自体はただちに実行していく」と述べた。

 企業誘致の推進へ南紀白浜空港展望広場への施設整備民間提案の募集や就職希望の学生確保に向けた企業説明会の開催(11月28日、大阪市)などについても説明があった。