みなべ町東吉田地内の丘の上で行っていた遺跡発掘調査で、古墳時代の竪穴住居跡や室町時代の掘立柱建物跡などが見つかった「上城(うえんじょ)遺跡・上城城(うえんじょじょう)跡」の一般向け説明会が17日、現地で開かれた。あいにくの雨にもかかわらず町内外から60人が来場し、貴重な遺構を熱心に見学していた。

 県文化遺産課の仲辻慧大副主査が案内人を務め、竪穴住居跡2基、掘立柱建物跡も2基が見つかり、古墳時代の土師器(はじき)や須恵器も産出されたことを説明した。

 現場の近くには室町時代ごろに上城城があったと言い伝えられており、中辻副主査は「上城城の一部とはいえないが、同じ時代に住民が近くで生活していたということは、何か関連があるかもしれない」などと説明した。

 子どものころから上城城の言い伝えを聞いていたという地元東吉田の池本宏一さん(74)は、「秀吉の紀州攻めのとき、(上城城の)近くの平野部にあった高田土居(たかだどい)城に向けて、(上城城から)侵攻してきたことを知らせる文書を結んだ矢を放ち、それが城の台所の屋根の上に当たったといわれている。その矢を放った場所を地元では『矢通しのうとう(漢字不明)』と言ってきた。今回近くで遺跡が見つかって、やっぱり出たかという思い。よく分かっていない上城城のこともぜひ調べてほしいですね」と話し、地元に残る中世のロマンに思いを巡らせていた。

写真=上城城遺跡で中辻副主査の説明を聞く参加者