ブランド鶏肉を育てていた有田養鶏農業協同組合(有田川町)が経営破綻し、日高川町内の施設に鶏の死骸やふんが放置されている問題で、日高広域消防本部は15日、大規模な火災の危険がある初湯川・猪谷地区の同組合鶏ふん置き場で放水を行った。

 場所は死骸が放置された弥谷、猪谷2カ所の鶏舎とは別で、猪谷川水辺公園から猪谷川を上ったところにある広さ約1200平方㍍の倉庫。同消防によると、山積みの鶏ふんは内部で蓄えられた発酵熱によって自然発火する恐れがあり、今年2月ごろからパトロールを行っていたが、7月31日に倉庫の板張りや電気配線、近くの廃材を焼く火災が発生。鎮圧したが、鶏ふん内部の火種は完全に消し止められておらず、くすぶっている状態が続いていた。

 火災発生時点での鶏ふんの量は約3000立方㍍とみられ、地元住民からの苦情や心配に加え、近くの山林へ飛び火する危険があるため県や町と協議。空気が乾燥する季節を前に、火災の危険を軽減するための放水を行った。

 この日は職員14人と車両6台が出て猪谷川から取水。猪谷川に汚水が流れ出ないよう堤を設置し、職員はマスク越しでも鼻をつく悪臭が漂うなか、筒先を握り、最大約100㌧をめどに放水した。

写真=山積みの鶏ふんに向けて放水する職員