第64回日本学生科学賞(読売新聞社主催、旭化成協賛)の県審査で、日高高校生物部のスズメ調査班3人の研究「電柱はスズメの減少を止めているか?~スズメの営巣と腕金の関係性に迫る~」が最高の知事賞を受賞。県知事賞は2014年に続き2回目。11月14、15日に行われる中央審査へ進出する。

 3人は武井恒興君(3年)、井戸本悠暉君(2年)、宇田圭佑君(2年)。研究は生物部が50年以上前から行っている鳥類調査で、スズメが顕著に減少していることに着目。一方で、電柱に取り付けられている筒状の架線用金物「腕金(うでがね)」が、スズメの巣作りに向いているということが鳥類の〝業界〟で注目されており、日高地方ではどの程度腕金に巣ができているのかを調査した。

 調査方法は学校周辺や美浜町和田地内の電柱を目視して、巣の有無やスズメの出入りをチェック。また、学校の屋上に腕金を設置してスズメが巣を作るのかどうかを調べた。

 結果、電柱調査では電柱273本、腕金は1本の電柱に複数あるため合計1325カ所を調べ、69カ所で巣材があることを確認。屋上での調査では、15本設置し、10日後ぐらいには巣作りが始まり、最終的に3本で巣ができた。

 これらの結果や予想されるスズメの個体数などから計算し、日高地方のスズメの大半が腕金に巣を作っている可能性が高いとし、家屋の近代化で減少した巣作り場所を補う役割があると結論。さらに電柱の地中化などが進めば、スズメの個体数に大きな影響を与える可能性も指摘した。

 受賞に3人は喜んでおり、「電柱1本につき15分間、スズメの出入りの有無を調べる必要があり、3人で手分けして頑張ったかいがありました。中央審査で入賞し、12月の全国発表に出たいです」と話している。

写真=スズメ調査班の3人(左から武井、井戸本、宇田君)